2017年6月の WWDC17 にて新しいモデルの iMac が発表されました。今回は各モデルの違いと、それぞれのおすすめカスタマイズ構成について紹介します。
各モデルの違い
iMac 2017 のモデルはディスプレイの種類で以下の 3 つに大別することができます。
- 27 インチ iMac (Retina 5K ディスプレイ)
- 21.5 インチ iMac (Retina 4Kディスプレイ)
- 21.5 インチ iMac (非 Retina)
これらのモデルをベースに、CPU や GPU の仕様が異なるいくつかのモデルが存在します。
今回は 27 インチモデルの仕様について、以下で紹介していきます。
27 インチ iMac (Retina 5K, 2017)
27インチ iMac は CPU や GPU の仕様が異なる、3 つのモデルが存在します。それぞれの各仕様は以下のとおりです。
モデル | Retina 5Kディスプレイ 3.4GHzプロセッサ 1TBストレージ |
Retina 5Kディスプレイ 3.5GHzプロセッサ 1TBストレージ |
Retina 5Kディスプレイ 3.8GHzプロセッサ 2TBストレージ |
CPU | 第7世代の3.4GHzクアッドコア Intel Core i5プロセッサTurbo Boost使用時 最大3.8GHz |
第7世代の3.5GHzクアッドコア Intel Core i5プロセッサTurbo Boost使用時 最大4.1GHz |
第7世代の3.8GHzクアッドコアIntel Core i5プロセッサ
Turbo Boost使用時 |
メモリ | 8GB 2,400MHzメモリ
(オプションで最大32GBに変更可能) |
8GB 2,400MHzメモリ
(オプションで最大32GBに変更可能) |
8GB 2,400MHzメモリ
(オプションで最大32GBに変更可能) |
ストレージ | 1TB Fusion Drive | 1TB Fusion Drive | 2TB Fusion Drive |
グラッフィク | Radeon Pro 570 (4GBビデオメモリ搭載) |
Radeon Pro 575 (4GBビデオメモリ搭載) |
Radeon Pro 580 (8GBビデオメモリ搭載) |
ポート | Thunderbolt 3ポート x 2 | Thunderbolt 3ポート x 2 | Thunderbolt 3ポート x 2 |
ディスプレイ | 5,120 x 2,880ピクセル解像度のRetina 5K P3ディスプレイ | 5,120 x 2,880ピクセル解像度のRetina 5K P3ディスプレイ | 5,120 x 2,880ピクセル解像度のRetina 5K P3ディスプレイ |
価格 | ¥198,800 (税別) | ¥220,800 (税別) | ¥253,800 (税別) |
27インチのベースモデルの主な違いは CPUとグラフィック(GPU)で、Thunderbolt 3 等の接続ポートやディスプレイは変わりません。しかし、各モデルごとに CPU と ストレージでカスタマイズ可能な選択肢が変わります。具体的にまとめると以下のとおりです。
モデル | Retina 5Kディスプレイ 3.4GHzプロセッサ 1TBストレージ |
Retina 5Kディスプレイ 3.5GHzプロセッサ 1TBストレージ |
Retina 5Kディスプレイ 3.8GHzプロセッサ 2TBストレージ |
CPU | 変更不可 | 第7世代の4.2GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)にアップデート可 | 第7世代の4.2GHzクアッドコアIntel Core i7(Turbo Boost使用時最大4.5GHz)にアップデート可 |
メモリ | 16GB,32GB にアップデート可 | 16GB,32GB,64GB にアップデート可 | 16GB,32GB,64GB にアップデート可 |
ストレージ | 2TB Fusion Drive / 256GB,512GB,1TB SSDにアップデート可 | 2TB, 3TB Fusion Drive / 256GB, 512GB, 1TB SSDにアップデート可 | 3TB Fusion Drive / 512GB, 1TB, 2TB SSDにアップデート可 |
最廉価の 3.4GHz モデルは CPU を変更することができず、メモリも 64GB を搭載することができません。それに対し、最上位モデルの 3.8GHz はアップデート幅が多い一方、256GB SSD が選択できないなど、下位の選択肢を選ぶことができません。(標準の 2TB Fusion Drive の SSD 容量が多いためだと推測されます。)
そのほか、カスタマイズ可能な項目は以下のとおりです。これは各モデルで違いはありません。
- Magic Trackpad 2 ※+¥4,000
- Magic Mouse 2 + Magic Trackpad 2 ※+¥12,800
- Magic Keyboard (テンキー付き) ※+¥3,000
- キーボードの言語(英語 US 等)
お金があれば、最上位モデルで全盛りしたいところですが、一般庶民にはなかなか厳しいのが現実だと思います。以下では個人向けを対象に利用シーンが多いと思われる、2パターンについておすすめのカスタマイズ構成を紹介します。
なお、大前提として 27インチ iMac はメモリを自身で増設可能であり、そちらのほうがコストパフォーマンスに優れているため、自分で増設するのがよっぽど不安な方以外は注文時点でのメモリのカスタマイズはしないほうがよいです。
メモリの増設については、こちらの記事で紹介しています。
iMac (27-inch, 2017) のおすすめメモリと増設方法
おすすめのカスタマイズ構成
一般ユーザ(iMac で日常的に画像や動画の編集やゲームをしない方)
インターネット上の Web サイトや動画を見たり、メールを使ったり、音楽を聴く等が主な使い道になる方は、基本的にどの 27-inch iMac でも快適に使うことができるため、最廉価モデルで十分でしょう。Xcode でのアプリ開発を行う開発者もよっぽど重いアプリケーションの開発でない限り、最廉価モデルで問題ないと思われます。
CPU を i5 から i7 への変更を行うことで同時処理能力は上がりますが、処理速度が倍になるわけではないため、GPU の変更も含めて +50,000円の価値を見いだせる機会は少ない可能性があります。
ただ、メモリは標準の 8GB だと、あまり余裕がないため、自身で増設したほうがよいでしょう。
基本的にはカスタマイズは不要ですが、後からストレージの換装を行うことが困難であることを考えると、ストレージのみ 256 GB SSD に変えた方がよいと思います。
Fusion Drive は速度と容量を兼ね備えた素晴らしい技術ですが、容量は後から NAS や外付け HDD を追加すれば良いので、速度を取った方がよいでしょう。
また、iMac 2017 からはテンキー付きのキーボードを選ぶことができます。+3000円で変更可能で、後から買おうとすると 13,800円と高価なため、カスタマイズすることをお勧めします。
おすすめモデル
Retina 5Kディスプレイ 3.4GHzプロセッサ 1TBストレージ
カスタマイズ
1TB Fusion Drive => 256GB SSD
Magic Keyboard => Magic Keyboard (テンキー付き)
メディア制作者やゲーマーなど(iMac で日常的に画像や動画の編集やゲームをする方)
Photoshop や Final Cut Pro 等を用いて、画像編集や動画編集を日常的に行う方、または BOOTCAMP を行なって Windows用のゲームを行う方は、最廉価モデルでは不十分な可能性があります。自身でのメモリ増設は前提として、CPU と GPU を強化しておいたほうがよいかもしれません。最上位モデルにすれば解決する可能性が高いですが、コストパフォーマンスを考えると個人的には以下の構成をおすすめします。
おすすめモデル
Retina 5Kディスプレイ 3.5GHzプロセッサ 1TBストレージ
カスタマイズ
第7世代の3.5GHzクアッドコアIntel Core i5 => 第7世代の4.2GHzクアッドコアIntel Core i7
1TB Fusion Drive => 256GB SSD
Magic Keyboard => Magic Keyboard (テンキー付き)
以上、iMac (Retina 5K, 27-inch, 2017) の仕様とおすすめのカスタマイズ構成を紹介しましたが、カスタマイズの最大のメリットは自分のニーズに合わせて自由に構成を考えられることですので、自分が納得のいくカスタマイズを行いましょう。本記事の情報がカスタマイズを考える上での参考になれば幸いです。