nasne から Synology DS216j に DTCP-IP ビデオをムーブ

nasne から Synology DS216j に DTCP-IP ビデオをムーブ

Synology DS216j を購入しましたが、購入にあたっての主な目的の一つであった、nasne から DS216j への DTCP-IP ビデオのムーブについて実際にやってみました。

DTCP-IP とは?

そもそも DTCP-IP がなにかというと、地上デジタル/BSデジタル/CSデジタルの映像配信に主に利用される、コピー防止目的の暗号化手法です。DLNA と共に利用されることが多く、日本独自の規格になっています。nasne で録画した番組を始め、日本国内の主要なメーカーのレコーダーで録画した番組はほとんど DTCP-IP で保護されており、録画した番組の再生やコピー・移動には DTCP-IP への対応が必須となります。

Synology DS216j の DTCP-IP 機能

Synology の DS216j は DTCP-IP に対応可能ですが、「sMedio DTCP Move」という有料のオプションパッケージのインストールが必要となります。DSM のパッケージはほとんど Synology 社が OSS 等をベースに開発したものが主流ですが、こちらは sMedio 社と共同開発したものになっているみたいです。なお、執筆時点での価格は USD 8.5 $ となっており、日本円で 1000円弱ほどでした。
sMedio 社との連携に関するニュースリリースはこちらから確認できます。

インストールの前準備

「sMedio DTCP Move」は DSM 上のパッケージセンターからインストールするかたちになりますが、有料のパッケージのため、Synology アカウントの作成、DSM 上でのログインと PayPal での支払いが必要となります。Synology アカウントを作成していな場合はSynology 公式サイトから作成できます。PayPal アカウントを持っていない場合は PayPal 公式サイトから作成と有効な支払い方法を登録しましょう。

ログイン済み画面

ログイン済み画面

Synology アカウントのログインは「コントロールパネル」「情報センター」「Synologyアカウント」画面からログインします。

sMedio DTCP Move のインストール

DSM のパッケージセンターからインストールします。マルチメディアカテゴリーの下部に sMedio DTCP Move がありますので、「購入」ボタンを押下します。安全のため、再度 Synology アカウントのパスワードを求められますので入力し、続けて PayPal にログインし、支払い処理を進めます。決済が完了すると、インストールが開始されるので完了するまで待ちます。
パッケージセンター内の sMedio DTCP Move のページに遷移し、実行中であることを確認します。

パッケージセンターからインストールします

パッケージセンターからインストールします

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ステータスが実行中になっています。なおこの画面から URL も確認できます

sMedio DTCP Move を利用する

sMedio DTCP Move を管理、操作するには「<ds216jのホスト名または IP アドレス>:32142」にアクセスします(例えば 192.168.1.0:32142 等)。最初に「言語」や DTCP-IP 対応クライントで表示される「サーバ名」、「ムーブ先フォルダ」を設定します。DMS は有効にしなければならないようです。

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DTCP MOVE の設定画面(言語)

設定が完了したら、右上のコンテンツのムーブを押下すると、コンテンツムーブ画面になります。「ムーブ」メニューを選択すると、右側にリスト形式のボタンがあるため、そこからコンテンツのムーブ元を選択します。今回は、例として nasne を選択します。すると画面中央にフォルダ構成が表示されるため、移動を繰り返し、ムーブしたいコンテンツのフォルダに移動します。

コンテンツが「タイトル」「録画時間(放送時間)」の一覧になって表示されるため、ムーブしたいコンテンツを選択状態(複数選択可能)にして、「選択したコンテンツをダウンロード」ボタンを押下します。するとコンテンツのムーブが始まります。「ダビングが開始されました。」と表示されます。

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フォルダが階層ごとに表示されます

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番組名や時間が一覧で表示されます

ムーブ中のコンテンツは「実行中」メニューから進捗を確認でき、「ムーブ履歴」からこれまでの履歴も見ることができます。また、ムーブしたコンテンツは「ムーブ済みコンテンツの管理」メニューから削除することが可能です。ムーブが完了すると、即時で DTCP-IP 対応プレーヤーから視聴することができます。

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ムーブ状況も確認できます

今回は PS3 から検索、再生できるか確認しましたが、メディアサーバとして認識され、問題なくビデオ再生ができました。余談ですが 、最近は PS4 をメインで使っているので、早く DTCP-IP 対応してほしいと思いました。

総評

アカウントの作成や PayPal での支払い等が必要でしたが、とても簡単に DTCP-IP 機能への対応をすることができました。正直「sMedio DTCP Move」の操作画面はいけていない部分はありますが、必要最低限の機能はちゃんと押さえており、動作も重くないので普段づかいとしては充分だと思いました。個人的には、コンテンツが表示されているオブジェクトの大きさを小さくできる等、コンテンツの表示の仕方を変えれたり、コンテンツの名前や日にちを検索できたりなると、よりよい使いやすくなるのではないかと感じました。全体としては充分な機能をもったよいソフトだと感じました。まだまだ機能やインターフェース部分の改善の余地はあるので機能追加アップデートを期待しています。